「ワセリンで肌荒れを直した話」
長年にわたり、私は乾燥肌とそれによる肌荒れに悩まされ続けてきました。特に頬にできる赤みは、メイクに頼らないと隠すことができず、大きなコンプレックスとなっていました。
改善策を求めて、これまで数々のスキンケア商品を試してきました。資生堂、無印良品やボディショップといった身近なブランドまで、ありとあらゆるものを試しました。しかし、どれも一時的な保湿効果は感じられるものの、根本的な肌の赤みを解消するには至りませんでした。中には、成分が合わなかったのか、かえって肌が赤くなってしまうこともあり、次第にスキンケアに対する意欲も薄れていきました。
そんなある日、世田谷で私がよく行くカフェでコーヒーを飲んでいると、隣の席に座っていた二人の女性の会話が耳に入ってきました。一人の女性が「私、最近顔にワセリンを塗るようにしてるんです」と話しており、もう一人が「そうなんだー」と相槌を打つ声が聞こえてきました。
ワセリンと聞いて、私が真っ先に思い浮かべたのは、ボクサーが試合中に負った傷の応急処置として塗る、あのベタベタした透明な軟膏でした。まさか、それを顔に塗るなんて、と半信半疑に思いながらも、長年の悩みを抱えていた私は、とりあえず試して損はないかとその情報に食いつきました。
帰宅後、私はすぐにインターネットで「ワセリン」について検索し、健栄製薬のワセリンを注文しました。数日後、自宅に届いたワセリンを恐る恐る、赤みが気になる部分に塗ってみることにしました。すると、数日後には驚くべき変化が起こり始めたのです。
あれほど頑固だった頬の赤みが、徐々に薄れていくのがはっきりとわかりました。長年悩まされてきた赤みの原因は、乾燥によるバリア機能の低下だったのかもしれない、とこの時初めて気づきました。まさか、こんなにも身近で安価なワセリンが、私の肌悩みの解決策だったとは…。これまでの高価な化粧品は何だったのだろう、と衝撃を受けると同時に、大きな感動を覚えました。
ワセリンとの新たな付き合い方
純粋なワセリンは、その高い保湿力ゆえに、どうしてもベタつきが気になってしまいます。特に朝のメイク前には使いづらく、もう少しサラッとした使用感のものを探したいと思うようになりました。
そこで、ワセリンをベースにしたクリームを探し始めたところ、実家にあったニベアクリームが目に留まりました。裏面の成分表示を見てみると、しっかりとワセリンの文字が記載されています。
さっそく試してみると、ニベアクリームはワセリンの保湿力を保ちつつも、ベタつきが少なく、肌にすっと馴染むような使い心地でした。また、きつすぎない優しい香りも気に入りました。
以来、私のスキンケアにニベアクリームは欠かせないアイテムとなりました。特に乾燥が気になる季節や、肌の調子が悪い時などには、洗顔後すぐにニベアクリームを塗り、その上から普段使っている化粧水や乳液を重ねるようにしています。
この方法を続けていくうちに、肌の乾燥はほとんど気にならなくなり、赤みも以前に比べてかなり落ち着きました。ワセリンが持つ肌の保護機能と保湿効果を実感したことで、私はもうワセリンなしの生活には戻れなくなりました。
ワセリンの安全性と使用上の注意点
ワセリンは、石油を精製して作られるため、「石油系」と聞くと少し不安に感じる方もいるかもしれません。しかし、長年の研究によって、人体にほとんど無害であることが証明されており、アレルギーや副作用もほとんどないとされています。
ただし、いくつか注意すべき点があります。まず、ニキビができている時や脂漏性皮膚炎が起きている時は、ワセリンの使用を控えるようにしましょう。ワセリンは毛穴を塞いでしまう可能性があるため、炎症を悪化させてしまう恐れがあるからです。
また、ワセリンは製品によって純度が異なります。EUでは厳しい品質規制がありますが、日本ではそういった規制がありません。そのため、不純物が多く含まれている可能性のある、低品質なワセリンには注意が必要です。できるだけ高品質な白色ワセリンを選ぶように心がけましょう。
私の場合は、ワセリンと出会ったことで、長年の肌悩みが解消されました。今では、ワセリンベースのクリームを上手に活用しながら、乾燥に負けない健やかな肌を保つことができています。
これからもワセリンとの良いお付き合いを続けていきたいと思います。もしかしたら、同じように肌の乾燥や赤みで悩んでいる方の参考になれば幸いです。